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5つのポイントを“ふかぼり”
①プロセス | ・「エネルギー基本計画」は経産省、「温暖化対策計画案」は経産省と環境省合同の審議会で議論されていますが、メンバーを見てみると原発推進や化石燃料維持を支持する委員が多数派です。 ・委員のジェンダーでは男性、年齢では50代以上が多く、女性や若者が少ないという偏りも問題です。気候変動の影響をより大きく受ける若者の意見や、多様な立場の専門家や環境団体を策定プロセスに加えることが必要です。 ・現状、市民の参加は意見箱やパブコメなどに限られており、国会での議論もなく閣議決定されます。全ての国民が影響を受けるエネルギーや気候変動対策についての計画なので、内容や議論の論点などをもっとわかりやすく国民に伝え、民主的で透明性の高い議論を行うべきです。 【おすすめリンク】 |
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②気候危機 | ・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、地球の気温上昇を1.5℃以内に抑えるには「2035年60%削減(2019年比)」が必要と示しており、日本の計画案も同じ「60%削減」になっていますが、基準とする年が2019年ではなく2013年になっています。 |
③原子力 | ・放射能汚染や解決不可能な核廃棄物の処分の問題などが山積している原発。地震大国の日本で原発を推進することには非常に大きいリスクがあり、万一事故が起こった際の周辺住民の避難計画は十分に整備されていません。・経済的にみても、原発の維持費や建設費は高騰し続けていて、今や世界的にも最もコストの高い電源となっています。新増設やリプレースには1基数兆円という莫大なコストがかかり、リードタイムも数十年かかるため、その間の気候変動対策を遅らせます。 ・原発はトラブルが頻発している上、ひとたび停止すれば広範囲に影響をもたらすこと、調整力に欠けることから、決して「安定」電源とはいえません。 【おすすめリンク】 |
④化石燃料・石炭火力 | ・2024年4月の主要7カ国(G7)会合では「2030年代前半の石炭火力発電の廃止」が合意され、イギリスが2024年9月に脱石炭を達成しました。また、2023年のCOP28では、ガスや石油もふくめ「化石燃料からの脱却」が合意されるなど、世界は確実に脱石炭・脱化石燃料の流れです。・一方、日本は水素やアンモニアを混ぜたり、CO2を改修して貯留する「CCS」などの排出削減対策をとって石炭火力発電、ガス火力発電を使い続けようとしています。これらの新技術は高コストで、環境・社会への悪影響が懸念されており、気候変動対策が決定的に重要なこの10年の内に実用化が間に合いません。 ・日本は化石燃料を輸入に頼っており、その輸入額は年間数十兆円にも及びます。貿易収支の改善やエネルギー自給率の観点からも、化石燃料からの脱却が必要です。 【おすすめリンク】 |
⑤再エネ・省エネ | ・COP28で合意された「2030年までの再エネ設備容量3倍及びエネルギー効率改善率2倍」というグローバル目標に、先進国である日本として大きく貢献する必要があります。 ・自然や景観を損なう乱開発を防止し、建物の屋根や農地の上への太陽光パネルの設置、世界有数の適地と言われる洋上風力発電の活用などに大きなポテンシャルがあります。 ・省エネについては建物の「断熱」が有効です。日本の家屋の断熱性能は世界と比べてかなり低いため、新築住宅の基準見直しや、学校など公共施設の断熱性能の向上を求めることも重要です。 【おすすめリンク】 |
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